New YorkのデモからみるメディアとしてのTシャツという記事を書きましたが、記事中で紹介したのはThe New Yorkerの写真部門のInstagramアカウントだったのですよね(以下、NYフォトと記す)。このアカウントでは一人の作家のプロジェクトを複数投稿(6〜12個)で紹介しています。
Instagramは自分のタイムラインで見た場合は他のフォローしている人の写真と混じってしまうけど、NYフォトアカウントで見た場合には一人の作家の作品が連続で見られるんですよね。言ってみれば、グループ展に行ってそれぞれの作家のコーナーを回っているような感じでしょうか。そして、一人の作家の作品をいくつか連続して見ると作家性というか、作家の撮影ルールみたいなものがわかるのも嬉しいですね。
以下に私がこれは好き!と思った方を紹介します(選んだ方が全員女性だったのですが、それには私が驚きました)。
引用元:https://www.instagram.com/newyorkerphoto/
最初のイザベルさんの場合は、トロントとナイジェリアのラゴスが拠点ですが、どれを見ても撮影場所が北米なのかアフリカなのかわからない感じがよいです。ハルカさんの場合は今年の3月からのコロナ禍の中でのフォトダイアリー。レベッカさんの場合は風景とカーテンやシェード。
いずれの方もNYフォトではなくて個人アカウントで見ると、上記と異なったプロジェクトも見ることができ、例えて言えばグループ展ではなく新作を含んだ回顧展を見ている気になってきます。つまりInstagramを戦略的に使っているなと思ったのですよ。ここで食べましたとか、ここに行きましたとかいうように散文的に投稿していないのですよ(アーティストなんだから当たり前かもしれませんが)。仮に散文でいい場合にしても、例えばコロナ禍の中でのフォトダイアリーのような切り口で自分のInstagramを編集してみよう、などという姿勢で臨んだ方がいいんだなと気づいた次第。そう言ったら、ブログ投稿のキッカケのNYフォトアカウントも戦略的でしたね(というか元々雑誌なので、そりゃ編集的ですよね)。
上の3人の方の中で、私が特に惹かれたのはレベッカさんの風景とシェードでした。AirTで風景の中に紙のTシャツを入れ込んだものを撮影したりするので、そういう見た目に真っ先に意識が向いてしまったのでしょう。上記のレベッカさんの6枚の中であれば右上の写真を見てみると、これ複数枚で構成されてますよね。ちょっと見てみてください。
面白いでしょ!シェードを吊るし、そのまま放置して風化していく様を撮っているように思えました。初めて見たときは驚きました。
さて、このように制作内容も素敵なのですが、レベッカさんの編集がいいんですよ。というのは、ここちらの写真、レベッカさんのアカウントだと連続じゃなくて一枚一枚投稿しているんですね(以下の画像参照 引用元:https://www.instagram.com/rebeccareeve.studio/)、しかも投稿の新しい順に見たときにちゃんと見えるように。ああ、こういう編集もあるんだなと教えられた気がしました。
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